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~大阪の交通事故弁護士~ 葬儀費用の議論を素材に、論理思考について その2

コラム

2019年10月26日
~大阪の交通事故弁護士~ 葬儀費用の議論を素材に、論理思考について その2

2019.10.26

今日も大阪市天王寺区(大阪上本町・谷町九丁目)の事務所で、交通事故被害者からの受任事務を処理しています。

この3説のうち、ウ説は真っ先に消えます。①及び②の両者に記載されている「特段の立証を要しない」という文言に抵触するためです。ウ説は、争われなければ立証しなくてもよいという限りで、この文言との整合性をとる立場なのでしょうが、それは民事訴訟における当然の前提にすぎません。

次に消えるのは、ア説です。これは、②の「実際に支出した額が基準額を下回る場合は、実際に支出した額をもって損害と認める」との記載になじまないためです。

このあたりの詳しい解説は、昨年10月6日に掲載した

https://the-law-office.jp/blog/370/

以降の記事と、今年3月14に掲載した

https://the-law-office.jp/blog/670/

以降の記事をご参照願います。

私の周辺では、かつてはウ説が通説でしたが、理論的な根拠は聞いたことがありません。ア説をとる弁護士は1人だけ見たことがありますが、②の記載を知らないだけで、誰かが彼に教えてあげれば改説する可能性が高いと思います。明確にイ説をとる人は、私以外に1人だけ見たことがあります。ただし、今年の15民事部裁判官との懇談会以来、ウ説を唱える人を全く見かけなくなりました。

かつてウ説を唱えていた弁護士が最近唱えているのは、正直に証拠を出した人が損をして、逆に証拠を出さなかった人が得をするのは不公平ではないか、という問題意識です。これは大阪弁護士会の会報に、大阪地裁15民事部の意見として掲載されてから広まっているようです。この問題意識は、裁判官としては当然のものでしょう。ただ、被害者代理人がこのような問題意識を裁判官と共有して、実体的真実発見のために依頼者に不利益な証拠を裁判官に差し出すとしたら、彼はその依頼者にとって極めて危険な代理人ということになります。

 

 

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