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日弁連交通事故相談センターの研修「高次脳機能障害に関する裁判例の動向」 その6

コラム

2019年6月24日
日弁連交通事故相談センターの研修「高次脳機能障害に関する裁判例の動向」 その6

 

2019.6.24

 

今日も大阪市天王寺区(大阪上本町・谷町九丁目)の事務所で、交通事故被害者からの受任事務を処理しています。

 

6月14日、私は東京まで出張し、公益財団法人日弁連交通事故相談センターの「高次脳機能障害に関する裁判例の動向」という研修を受講して参りました。当分の間、その内容を報告することにします。

 

22日の記事で、事故直後の脳挫傷や血腫といった画像上の異常所見が慢性期において消失している例について少し触れましたが、そのことを根拠として高次脳機能障害を否定する裁判例について、講師は疑問を呈されていました。

 

すなわち、脳神経細胞は一度損傷すると再生することは原則としてないことから、仮に画像上の異常所見が慢性期において消失したとしても、それは脳神経細胞が元通りになったことを意味するわけではないためです。だからこそ、自賠責保険における高次脳機能障害認定システム検討委員会の「自賠責保険における高次脳機能障害認定システムの充実について」という報告書(以下「自賠責報告書」といいます。)においても、早期にMRIを撮影することを推奨し、「早期に撮影されれば脳挫傷が明らかになる場合でも、時期が経過すると、脳の器質的損傷所見が消失する例があるからである。」としているのではないか、という趣旨のことも仰っていました。

 

この点については、講師の見解に説得力を感じました。後に消失すれば駄目であるのであれば、消失する前に証拠を保存する意味はないことになってしまいます。仮に裁判所が画像所見の消失をもって高次脳機能障害を否定する根拠としているのであれば、それは自賠責報告書の立場とは異なるものであると言ってよいと考えています。

 

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