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「漢の風 みずほの国の雨」 その4

コラム

2018年9月11日
「漢の風 みずほの国の雨」 その4

劉邦と毛沢東の類似性は、しばしば論じられています。また、劉邦は典型的中国人とも評されます。今回、私はこの小説を読みながら、劉邦を毛沢東や日中戦争時の中国軍のようだと感じ、また項羽については日本人、日本軍のようであると感じることが少なくありませんでした。

 

戦えば必ず勝つ項羽、必ず負ける劉邦
負けると潔くかつ美しく死のうとする項羽、負けるとすぐさま逃げる劉邦
連戦連勝するも勢力を拡大できない項羽、連戦連敗するも勢力を拡大する劉邦
補給を考えない項羽、補給を最重要視する劉邦
外交センスがなく孤立する項羽、いくさの弱さを外交で補おうと必死の劉邦
戦術しか頭にない項羽、戦略に頼るしかない劉邦

 

等々、列挙すれば切りがありません。これらを書きながら私は、日中戦争初期の日本軍と中国軍、ミッドウェー敗北時の山口多聞のことや戦艦大和の沖縄出撃、「三十六計逃げるに如かず」という言葉、毛沢東の長征・遊撃戦「敵進我退 敵駐我攪 敵疲我打 敵退我追」、松岡洋右の「さようなら」、アメリカにおける宋慶齢・宋美齢姉妹の活躍そして自国の大切な兵を餓死させ続けたこの国のこと等を思い浮かべました。

 

(続く)