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交通事故損害賠償の「損害」とは?

2015年12月18日
11 H27.12.18 交通事故損害賠償の「損害」とは? その11

イ 基礎収入の認定

 

③ 会社役員
会社役員が会社から受ける報酬:労務の対価+利益配当
労務提供の対価部分:認められる
利益配当の部分:認められない

 

労務の対価が役員報酬に占める割合
→・会社の規模・営業状態
 ・当該役員の職務内容・報酬額
 ・他の役員や従業員の職務内容・給与額
等を勘案して判断

 

④ 家事従事者(男性も含む)
原則:学歴計・女性全年齢平均賃金を基礎とする
例外:年齢、家族構成、身体状況、家事労働の内容等に照らし、上記平均賃金に相当する労働を行い得る蓋然性が認められない場合
→学歴計・女性対応年齢の平均賃金を参照するなどして基礎収入を定める

 

有職者で家事労働に従事している場合
実収入額が学歴計・女性全年齢平均賃金を上回っているとき:実収入による
実収入額が学歴計・女性全年齢平均賃金を下回っているとき:上記の家事従事者に準じる

 

⑤ 無職者(家事従事者を除く)
原則:認められない
例外:①治療が長期にわたる場合で、②治療期間中に就職する蓋然性が認められるとき
→認められることがある

 

これらのうち、最も重要なのが、④の最後の3行です。パートで働く主婦の場合、学歴計・女性全年齢平均賃金(約360万円 私は、「主婦は日給1万円と考えてください。」という言い方をします。)を下回るのが大半です。ですから、この家事従事者ルールを使わないと、大きな損をすることになります。
ただし、一人暮らしの方はいくら家事をしていても、それは自分の生活のための活動にすぎず、労働とはとらえられないことから、このルールは使えませんので、ご注意下さい。
また、このルールを使う場合、休業損害の説明の初めに記載した、要休業期間や要休業割合について争いになることが多いと思っておいてください。