コラム

2019年4月26日
知識について　その5

２０１９．４．２６

連休中も、大阪市天王寺区（大阪上本町・谷町九丁目）の事務所で、交通事故被害者からの受任事務を処理し、また電話相談を受け付けています。

弁護士になるかならないかの頃から驚いていたのは、知識の入手について、弁護士の世界では「口伝（くでん）」がかなり重視されていることです。本を読んで調べている時間はないから、わからないことがあれば誰かに聞け、と。また、そういう人間関係を形成するために、親睦団体としての会派のお遊びに参加しろ、飲み会に行け、と、少なくはない弁護士が真顔で言ってくるのです。

正直、そんな暇があったら、本を買って読めばいいのに、と思っています。時間対効果で考えると、普段から受任可能性のある範囲の知識を、多数の本から得る方が絶対に優れています。

以前ここで紹介した「裸の３．５倍基準」のような、「青本」という基本的な文献の記載と照らし合わせれば疑問に感じざるを得ない考え方が、弁護士業界における通説又は有力説となってしまうような不幸な事態は、弁護士の世界における「口伝」の尊重というカルチャーに遠因があるのかもしれません。