2019.12.16
今日も大阪市天王寺区(大阪上本町・谷町九丁目)の事務所で、交通事故被害者からの受任事務を処理しています。
磯田道史先生ご紹介の古文書と真山青果先生の「元禄忠臣蔵 仙谷屋敷」との整合性を指摘する前に、「元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿」についても触れた方がいいと考えています。確かこちらの方が、詳しく理屈が展開されていたと思うのです。ただ、その番付を本日事務所に持ってくるのを忘れましたので、今日はお休みとしましょう。
ただ、本当に休むのも何ですから、少し無駄話というか、実はこのシリーズの締めに持ってきたかったお話を先にしてしまいましょう。
私は、映画やドラマの忠臣蔵をたくさん見てきたわけではなく、大人になってから文楽や歌舞伎で忠臣蔵を観るようになり、それをきっかけとして関心を持つようになった者です。そのような者に過ぎないという前提ですが、私がこれまでに見た忠臣蔵で最も心に残っているシーンは、多分NHK大河ドラマ「元禄繚乱」だったと思いますが、当時の中村勘九郎さん演じる内蔵助が、討ち入りが差し迫ったタイミングで、同士を前にして、
「ワシは、殿が好きやった。」
と、絞り出すように話すシーンです。これから行うことが本当に仇討ちなのか、そんなことはどうでもよい、みたいな「振り切り」を感じたのだと思います。短気で、しかし真面目で公正な若殿を、多くの藩士は愛していたのでしょう。そういう未熟な若者を、後見するのが家老である自分の勤めです。内蔵助にとって内匠頭は、弟であり、また息子でもあったことでしょう。
そういう観点から、私は「南部坂雪の別れ」のこのシーンが好きなのかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=eHWVL7yXVH8
そのような殿様が、全てを捨ててでも吉良を討とうとしたのであれば、その想いを継ごう、内蔵助にはそうするしかなかったことでしょう。(続く)
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