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~大阪の交通事故弁護士~ 葬儀費用の議論を素材に、論理思考について その5

コラム

2019年10月29日
~大阪の交通事故弁護士~ 葬儀費用の議論を素材に、論理思考について その5

2019.10.29

今日も大阪市天王寺区(大阪上本町・谷町九丁目)の事務所で、交通事故被害者からの受任事務を処理しています。

先に述べたように、論理的に考えれば、緑のしおりの①「特段の立証を要しない」という記述は、ア説又はイ説の両方の解釈可能性があり、ウ説を難しくしています。ここに、②の「実際に支出した額が基準額を下回る場合は、実際に支出した額をもって損害と認める」という記述を加筆すれば、ア説が消えるだけで、イ説には少なくとも消極的影響はないわけです。その加筆によって、緑のしおりの記載が「大阪地裁における交通損害賠償の算定基準」の記載と同じになるだけです。既に議論は、「大阪地裁における交通損害賠償の算定基準」の記載も前提に行われているため、これでは今までと何も変わりません。

もしかすると、そのような弁護士は、②の「実際に支出した額が基準額を下回る場合は、実際に支出した額をもって損害と認める」という記載があれば、①の「特段の立証を要しない」という記載がなくなってしまう、という感覚をそもそも持っているのかもしれません。しかし、二つの記載の併存に整合する解釈として「推定」というものがあるにもかかわらず、①を空文化するのは解釈の範囲を超えているというべきでしょう。

 

 

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