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日弁連交通事故相談センターの研修「高次脳機能障害に関する裁判例の動向」 その18

コラム

2019年7月10日
日弁連交通事故相談センターの研修「高次脳機能障害に関する裁判例の動向」 その18

2019.7.10

今日も大阪市天王寺区(大阪上本町・谷町九丁目)の事務所で、交通事故被害者からの受任事務を処理しています。

6月14日、私は東京まで出張し、公益財団法人日弁連交通事故相談センターの「高次脳機能障害に関する裁判例の動向」という研修を受講して参りました。当分の間、その内容を報告することにします。

一昨日の続きです。講義(レジュメ)ではさらに、原告の立証責任について触れられていました。当然のことですが、交通事故に起因する脳外傷による高次脳機能障害が生じたことの立証責任は原告側にあります。意識障害が全くなく、かつCTやMRIという脳の実際の形を捉える画像(機能画像と対比して形態画像といいます。)での所見がない場合、立証なしとされるのが通常です。

また、意識障害が軽度であったり、脳挫傷所見が消失したり、脳萎縮がない場合も、証拠としては弱いわけです。したがって、症状の経過や事故の大きさ等の諸般の事情を丁寧に立証する必要があります。

特に注意すべきは、カルテ等の記録上、症状の訴えが当初からなされておらず、半年以上経過してからなされているケース、特に徐々に悪化しているといった事情は、高次脳機能障害が否定される根拠とされることが多いということです。

 

 

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