コラム

2019年1月31日
大阪弁護士会の分野別登録弁護士はすごいよ、でもしくじったら依頼者の自己責任だよ

２０１９．１．３１

今日も大阪市天王寺区（大阪上本町・谷町九丁目）の事務所で、交通事故被害者からの受任事務を処理しています。

昨日、今日と大阪弁護士会の研修に参加して、また「月刊　大阪弁護士会」という主として会員弁護士向けの機関誌１月号を読んで、同会の「専門分野登録制度」は「分野別登録弁護士制度」に名称が変更されるようです。やはり「専門」という文言が独り歩きすること、弁護士会の信用問題となりかねないことの認識が強くなったのを受けての、土壇場での急転回のようです。

「専門分野登録」というのは意味が分かる気がするのですが、「分野別登録弁護士」という言葉は不思議な言葉で、一読して私には意味がさっぱり分かりません。多くの消費者にとっても同様でしょう。この制度を推進してきた人たちは、一体何をしたかったのでしょうか？また、それは達成できたのでしょうか？

「月刊　大阪弁護士会」を読むと、結局この「分野別登録弁護士」を消費者は信用していいのだ、と大阪弁護士は言いたいようなのですが、他方で弁護士会が「分野別登録弁護士」の弁護過誤による責任追及の対象になることも避けたいという事情が窺われます。

「消費者はこの登録弁護士を一定程度は信頼して欲しいのですが、もしもその信頼が裏切られたらあなたの自己責任ですよ」という不思議なメッセージを、大阪弁護士会は世間に発信することになりそうですね。理屈や観念の世界ではそのようなメッセージもあり得るのかもしれませんが、現実社会はこれをどう受け止めるでしょうか？