受任前の提示額70万円から、受任後約1か月間の交渉により235万円までアップさせました。スピードとよい結果の両立ができた事案です。
主として舌の神経障害により約4年間通院され、最終的には治癒したというお客様です。実際に通院されたのが月に3~4回でしたので、裁判基準であっても実際に通院された日数158日の3.5倍である553日が通院期間とされてしまうことはやむを得ません。こうして慰謝料の基本額は約192万円となります。
更に、軽度の神経症状であり慰謝料は3分の1減額されるべきであるとか、症状が極めて軽微となっていた通院期間後半は減額されるべきではないのか等争点はありましたが、この事案では減額なしとすることができました。
それどころか、裁判をすれば弁護士費用や遅延損害金が加算されることを理由として、示談であれば慰謝料を増額してもらわないわけにはいかないと主張しました。最終的には、慰謝料を2割強増額させることに成功しました。実質的に裁判をして遅延損害金4年分がとれたに等しい結果です。
一般論として、裁判をしなければ遅延損害金や弁護士費用がつかないから裁判を行うべきというのはわかるのですが、個々の事案をじっくり観察すると、裁判をすると減額される可能性が相当程度あることも少なくありません。そういう場合は、示談を前提に慰謝料をいくら上積みさせることができるのか、真剣に交渉して結果を出すのが、弁護士の腕の見せどころなのです。
なお、この事案では事故直後の3万円弱の休業損害が未払いとなっていましたので、それもこの交渉で回収できました。有給休暇でしたので、お客様も特に気になさらなかったそうですが、有給休暇で損害が表に出なかったとしても、賠償として請求できますので、皆様、ご注意下さい。
更に、このお客様は弁護士費用特約を利用されたのですが、これを利用可能であるということも法律相談で初めてわかったことなのです。使える弁護士費用特約が使われていないということは、実は珍しくありません。とにかく、交通事故にあったら弁護士に相談です。本当に、ご自身で判断されてはいけないことだらけなのです。
お客様のコメント
長期にわたる事故の治療を終え、保険会社から損害賠償の提示がありました。それを見たとき、はたしてこの提示が相応しいものなのかという疑問を感じ、やはり専門家に教えてもらうべきだと思ったのが、岸先生に相談をするきっかけとなりました。
最初は保険会社もはいっていることですし、弁護士に相談するということは少し敷居が高いようにも感じたのですが、今考えるとよかったことばかりです。
相談の折には、本当に親切に対応していただき、損害賠償の仕組みなどいろいろなことを教えて下さいました。依頼後も、毎週のように進捗状況を連絡いただき、とても安心して過ごすことができました。
思い切って相談してよかったです。本当にありがとうございました。