コラム

2021年2月4日
～大阪の交通事故弁護士～　後遺障害１４級９号は「医学、科学の枠外」に存在する

２０２１．２．４

今日も大阪市天王寺区（大阪上本町・谷町九丁目）の事務所で、交通事故被害者からの受任事務を処理しています。

むち打ち事案で、せいぜい後遺障害１４級９号がとれるかどうか、というとき、整形外科の主治医が、後遺障害に関しての予想をコメントするとすれば、ほとんどが、「厳しい」あるいは「無理」です。「とれそう」という強気の予想をされる方はほとんどいないと思います。

この主治医の予想の精度に関して、私がコメントするとすれば、「参考にはならない」です。統計をとったわけではありませんので感覚的なものに過ぎませんが、主治医が後遺障害の獲得に関して悲観的予想をしたケースの後遺障害認定率が、それ以外のケースの後遺障害認定率と比較して、有意に低いという感覚は全くないです。

個人的には、後遺障害１４級９号というものは、痛みや痺れが残り続けることについて、医学的な証明ができないにもかかわらず、後遺障害として認定されるという、「医学、科学の枠外」に存在するものだと思っています。その時点における医学的、科学的な水準では解明できない疼痛というものが存するという現実を受け入れること、言い換えれば「ないことと擬制しないこと」については、常に交通事故の被害者になる可能性を有するはずの主権者たる国民が納得ないし支持できることでしょう。最低等級であれば、後遺障害として認定することは、被害者保護の観点からは好ましいことではないか、と私は考えています。

まあ、「文系の主張」ですね。