コラム

2020年9月15日
～大阪の交通事故弁護士～　１万円の重さの違い

２０２０．９．１５

今日も大阪市天王寺区（大阪上本町・谷町九丁目）の事務所で、交通事故被害者からの受任事務を処理しています。

損害保険会社との交通事故事件の示談交渉においては、最終的に１万円の攻防となる場合があります。

日本の損害保険会社の、特に総合職男性社員というのは、一般的に高給取りと言えるでしょう。色々な生まれ育ちの方がいらっしゃると思いますが、その多数派は、頭の良さという才能や大学に行くのが当たり前という環境に恵まれていたのだろうと考えられます。

他方、交通事故の被害にあわれる方の中には、比較的車に乗っている時間の長い方が多いと思います。そのような方のお仕事というのは、運転業務であったり、夏の暑い日も現場で肉体労働をされるようなお仕事であったりします。特に後者は誠にキツイ労働ですが、金銭的には恵まれていないことが多いと感じています。

示談交渉をしていると、依頼者であるAさんと、交渉相手である損保社員であるBさんとの、人生や生活の違いを想像することもあります。骨身を削るように１日働いて、１万円余りのお金を稼ぐAさんのことを考えると、上記の１万円の攻防にも、自然と力が入ってしまいます。ついつい損保社員のBさんに対して、「１万円の重さが、AさんとBさんとでは違うんですよ。」とか、「Aさんは、本当に骨身を削って１日働いて１万円を稼いでいる人なんですよ。」と言ってしまうこともあります。

この仕事をしていると、日々、マルキストっぽいことを口走るようになり、そういう自分の変化を楽しんでしまいます。「これって本当に俺の台詞なんか？」と。