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~大阪の交通事故弁護士~ 葬儀費用の議論を素材に、論理思考について その3

コラム

2019年10月27日
~大阪の交通事故弁護士~ 葬儀費用の議論を素材に、論理思考について その3

2019.10.27

今日も大阪市天王寺区(大阪上本町・谷町九丁目)の事務所で、交通事故被害者からの受任事務を処理しています。

この問題意識についてコメントすると、まず、本来立証を要しないにもかかわらず、馬鹿正直に不利益証拠を提出した者が、不利益認定を受けるように制度設計されているのが、民事訴訟であるという厳しい現実です。賢い代理人をつけた人が得をして、愚かな代理人をつけた人が損をするということは、民事訴訟では当然のことです。

また、この価値観に基づき、ルールを変更するのであれば、それは一つの考え方です。しかし、現に存在する2つの記載を前提に、裁判官や原告代理人はいかに行動すべきかを議論する際に、文言から乖離した価値観を前面に出されても困るという感覚は共有していただきたい。

また、裁判官も、かかる問題意識に基づき、原告側に葬儀代の証拠を提出するように「お願いしている」に過ぎないということを見落としてはなりません。さすがに、これまでに裁判官が、被告が争えば原告に「特段の立証」が必要となると明言したのを聞いたことはありません。裁判官に限らず、統治をする側の人間には、統治される側の人間に対して「お願い」をすることによって、相手に「しなければならない」と思わせて、本来の目的を達成していく技術が必要です(弁護士という在野法曹にとって、こういう視点は非常に重要なのですが、あまり一般的なものではなさそうです。遺憾なことです。)。仮に私が官吏であれば、こういうやり方は得意だと思うし、また実社会でうまい官吏を見ると、やるな、と思います。

裁判官側が、立証責任が原告側にあると一言も言わずに、原告代理人弁護士の多くに、証拠を出さなければならないと思い込ませることに成功してきたとすれば、やはり大阪地裁交通部の裁判官は、優秀な方が多いということでしょう。全く皮肉ではなく、そう思います。

 

 

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