2019.3.11
今日も大阪市天王寺区(大阪上本町・谷町九丁目)の事務所で、交通事故被害者からの受任事務を処理しています。
簡裁について思うことは、大量の事件を迅速に解決する必要性が高いという現実的な要請から、行政機関的な色彩を強めているのでは、ということです。
例えば、自賠責保険における損害調査・認定は、本来的に行政的なものです。やはり大量の事件を迅速に、一応の解決をはかる、という性質を持っており、司法のように当事者による個別具体的事情の主張・立証を踏まえて、最終的、強制的な解決を目指すものではありません。このような性質を有する自賠責保険は、慰謝料算定についても、実通院日数の2倍又は通院期間日数のより短い方を日数として採用する、という機械的な方法をとっています(いわば「裸の2倍基準です。)。そこには「長期かつ不規則」という、曖昧な要件は存在しませんし、きっと存在するべきではないのでしょう。
今回の懇談会においても、質問事項の作成に関与された弁護士から、「長期かつ不規則」をはじめ3.5倍基準の適用要件をより具体化・明確化することにより、(示談交渉段階における)保険会社の3.5倍基準の濫用を抑止できるのではないか、という指摘がありました。それはそうだろうと思うのですが、あまり具体的な話を社会一般に明示することは、事実認定における裁判官の裁量(これが尊重されてこそ、紛争が個別具体的事情に最適化されたかたちで解決されるのです。)を、必要以上に縛ることにもなりかねず、どこまで書くべきなのかは難しい問題です。
弁護士会が会報等を通じて、懇談会における裁判所の具体的コメントを活字にして紹介すること、それを受けた個々の弁護士が、その会報等を材料として保険会社と交渉すること、といった弁護士側の努力で、まずは問題解決を目指すべきということになるのでしょうか?
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