2020.10.9
今日も大阪市天王寺区(大阪上本町・谷町九丁目)の事務所で、交通事故被害者からの受任事務を処理しています。
6日に、大阪地裁基準(緑のしおりの基準)の、入通院慰謝料(傷害慰謝料)に関する「軽度の神経症状」基準が、通常基準の「3分の2程度とする」としているのは、その規定の仕方として、あまり感心しないというお話をしたのですが、この話のポイントは、要するに既得権益を奪われるような心理に、被害者を追い込まない方がよい、ということです。
最初から3分の2に減額した金額、例えば6カ月だから80万円という結論だけ被害者に話せばいいのでは、と考えられるかもしれませんが、ネットで情報が溢れている今日、「半年で90万円弱もらえるとネットで書いていた」と仰る、多分赤い本別表Ⅱを見たであろう被害者の方は少なくないのです。そのような依頼者から不信感をもたれないようにするため、時として緑のしおりを示しながら依頼者に金額を説明する場面も、弁護士にはあります。そういう場面を想定すると、通常基準の表を見てもらい、あなたは通常ではないから3分の1を削ると言うよりも、最初から「軽度の神経症状基準」という表をもとに説明した方が、被害者の既得権益はく奪意識は弱まるはずです。
人は皆、既に与えられたと認識するモノが奪われることに対しては、納得がいかない生き物なのですから。
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