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~大阪の交通事故弁護士~ 「百発百中の砲一門は、百発一中の砲百門に敗れる」 その3

コラム

2020年3月25日
~大阪の交通事故弁護士~ 「百発百中の砲一門は、百発一中の砲百門に敗れる」 その3

2020.3.25

今日も大阪市天王寺区(大阪上本町・谷町九丁目)の事務所で、交通事故被害者からの受任事務を処理しています。

昨夜、私のFacebookに、以下の通り書き込みました。

「今夜、BSフジで8時から放送されている報道番組を見ていて、実効再生産数について、キャスター側と専門家側で質問・回答がなされていました。キャスター側は、どうやって、感染者と接触した人間を追跡できるのか、という根本的な疑問をぶつけていたように見えました。これに対して、専門家側はよくわからない回答をしていました。私も、キャスター側と同じく、首を傾げて聞いていました。

これまでにも書いていますが、追跡という作業は、一般的には極めて難しいというのが、常識的な見方でしょうね。個人的には、実効再生産数というのは、フィクションに過ぎないと受け止めています。

例えば、寝たきりのおばあさんであれば、接触する相手が特定且つ少数ですので、これは追跡が成功するパターンです。

これに対して、普通の社会人が、満員電車で通勤して、会社に出て、営業をして、ランチを食べて等々となると、接触者が不特定且つ多数となります。また、感染の態様も飛沫感染、接触感染(手すりやつり革も要注意です。)そして(確定的ではないですが)エアロゾル感染が考えられますので、必ずしも同時にその場所にいる必要はないわけです。更に、感染者が他人を感染させる可能性のある期間というのが長いわけです。とすれば、感染可能性のある人を追跡しきれる方法は、まず存在しないと考えるのが常識的でしょう。

結局、実効再生産数というのは、ある感染者が他の人を感染させたと考えられる最低人数を示しているに過ぎない、と解釈しています。

この実効再生産数を測定することに意味がないとまでは、私も言いません。解像度が低い画像であっても、経時的に観察すれば、何かがわかることもあるのです。つまり、実効再生産数の増減から、社会がウイルスに対する防衛力を増やしたのか、あるいは減らしたのかが時間軸の中でわかると思うのです。

その前提として、同じ追跡方法を用い続けること、追跡特定された接触者が同じ条件で検査依頼に応じていることが必要です。要するに、精度の低い検査であっても、同じ人たちが、同じやり方で検査をし続ければ、何かが見えてくることはあるということですね。」

引用は以上です。

また、重要なことなので、昨日書いたことを繰り返しますが、「満員電車にクラスターを確認できなかった」というファクトは、

①奇跡的に感染可能性のある者全てに追跡検査ができたが、皆が陰性だったことを根拠とする場合と、

②追跡自体ができないため、検査ができなかった結果に過ぎない場合

とでは、そのファクトから導かれる評価が全く違います。すなわち、①の場合は、満員電車は安全な場所であるという非常識な結論を導くこともできかねない。これに対して、②の場合は、満員電車については何もわからなかったということになります。

私が、マスコミに期待しているのは、「専門家」と称する人々に、①OR②の確認と、専門家が①と答えた場合、感染可能性のある者をどのような方法で特定できたのか、それが何名いたのか、そのうち何名が検査に協力したのかというファクトです。評価を語っていただく必要はないので、ファクトを聞き出してほしいと思います。評価は、あくまでも主権者たる国民が行うべきです。

なお、本音を言ってしまうと、恐らくは推論したということでしょうと思うのですが、その場合は、「彼らの採用した推論過程」というファクトを聞き出していただきたいです。その合理性の判断も、国民が行うべきです。未知のウイルスに関する推論方法は、個人的には興味深い。

 

 

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