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~大阪の交通事故弁護士~ 「百発百中の砲一門は、百発一中の砲百門に敗れる」

コラム

2020年3月23日
~大阪の交通事故弁護士~ 「百発百中の砲一門は、百発一中の砲百門に敗れる」

2020.3.23

今日も大阪市天王寺区(大阪上本町・谷町九丁目)の事務所で、交通事故被害者からの受任事務を処理しています。

昨夜、私のFacebookに、以下の通り書き込みました。

「9時過ぎにコロナウイルスに関するNHKの番組を、少し見ていると、

2月までは感染経路を追える感染者がほとんどだった。

3月からは感染経路を追えない感染者が増えてきている。

という報告がありました。

でもこれは、被検者数の増大及び被検者の絞り方の変化で合理的に説明可能ではないのかな?個人的には予想していたことが現実となっただけと、素人考えかもしれませんが、私は感じています。

すなわち、2月は検査できる数が少なく、被検者は、新たに独立して見つかった感染者を起点として、その者と濃厚接触をした者を追跡し、優先的に検査していたので、感染経路を追える感染者がほとんどになるのは当然の帰結です。

他方、3月は検査できる数も増え、患者を実際に診察している医師の判断で検査を受けられる人の数が増えました。つまり、追跡検査ではない被検者の数が増えたということです。当然、感染経路を追えない感染者が増えてくるでしょう。

もしかすると、追跡検査の被検者以外の、新たに独立して主治医の判断で検査を受けることができた者のみの中で、どこでどう感染したのかわからない人の割合が、有意に増加したということを言いたかったのかもしれませんが、そうであるならそういう言い方を正確にするでしょう。また、2月はそのような新たに独立して主治医の判断で検査を受けることができて感染していることが判明した者の数が、あまりにも少なかったわけですから、そのための歪みがあったという評価も可能です。

俺が疑い深すぎるだけなのかな?」

引用は以上です。ただ単に、追跡しきれなかった、潰しきれなかった感染経路が多数あったという現実を推認させる事実が、検査範囲の拡大に伴い徐々に明らかとなっているだけである、という、多くの人が予想した通りの常識的な評価を、私はしているのですが、いかがでしょうか?

PCR検査の精度や量に限界があるのと同じように、追跡検査の精度や量にも限界があるわけです。このうち、最も限界を拡張しやすいのが、PCR検査の量ではないのか、なぜ日本だけがなかなか増やせないのか、という疑問はあります。

そういう疑問を持たずに、質に逃避する、という悪癖が日本にはありますね。少し精神論の混入した、日本人ならばできる、みたいな危ない考え方です。太平洋戦争の際の潜水艦の話が、確か「失敗の本質」で取り上げられていたと思います。

他方、アメリカ人は、やはり質より量ですね。大量に検査して大量に隔離する、病院が足りなければホテルも病院にしてしまう、と。追跡なんかできるわけないだろう、と。本当に、今、自分が太平洋戦争を見ている感じがします。

かつて東郷平八郎元帥は、「百発百中の砲一門は、百発一中の砲百門に勝る」と仰ったのですが、いざ実戦となれば百発一中の砲百門が一斉に百発百中の砲一門を狙い撃ちし、勝負が一瞬で決まってしまうことを、元帥はイメージできていたのでしょうか?

 

 

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